日本公認会計士協会の「我が国の引当金に関する研究資料(平成25年6月24日)」の中では、具体的に日本基準とIFRSの違いについて書いています。
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/files/2-11-3-2-20130625_1.pdf
< IFRS IAS37 >
(a) 過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的)を有す(IAS37.14(a))
⇒IFRSでは、「修繕引当金」は計上できません。日本基準の将来の特定の費用損失だけでは不十分とし、必ずしも現在の債務とは言えないからです。操業停止や廃棄をすれば、修繕が不要となり、支出の回避ができる事から、債務ではありません。
※大規模修繕の支出については、(資産の)認識要件を満たす場合には、固定資産の取得原価に加算して、次回の修繕迄の期間で減価償却します。
(b) 当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高い(IAS37.14(b))
⇒具体的には、50%超の確立で起こるのであれば、可能性が高いことになり、引当計上します。
(c) 当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合(IAS37.14(c))
⇒IFRSでは、見積もりができないのは極めてまれだと考えています。
※偶発負債は認識してはならず、開示する
<日本基準 注解18 >
(a) 将来の特定の費用損失であって
(b) 当期以前の事象に起因し
(c) 発生の可能性が高い
(d) 金額を合理的に見積もることができる
※発生の可能性が低い場合は、引当金計上できず、偶発債務として注記
訴訟損失引当金の事例については、 こちら にあります。